【ワシントン9日時事】トランプ大統領は8日、呼吸器疾患との関連が指摘される電子たばこについて、購入可能年齢を現行の18歳以上から21歳以上に引き上げる考えを明らかにした。ただ、全面的な販売禁止には慎重姿勢をにじませた。
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に、電子たばこが若者の間で急速に広がっている事態を踏まえ「最も大事なことは、子供たちを守ることだ」と強調。来週にも政府として対策をまとめる意向を表明した。
一方で「(電子たばこは)大きな産業になっている」とも述べ、雇用面を含め、規制強化の影響を考慮する必要があると指摘した。米政府は9月、ほぼすべての電子たばこの販売を禁止する方針を打ち出していたが、大幅に後退させた形だ。
電子たばことの関連が疑われる呼吸器疾患の症例は全米で2000件を超え、少なくとも39人が死亡したと伝えられる。米国内の一部州では、既に購入可能年齢を引き上げるなどの規制強化に踏み切っている。
疾病対策センター(CDC)幹部は8日、米メディアなどとの電話会見で、電子たばこによるとみられる肺疾患の患者29人の検体の分析で、全員からビタミン複合体の副産物「ビタミンEアセテート」が検出されたと発表した。疾患との因果関係は立証されていないものの、原因特定に向けた突破口になる可能性があるという。